【脈診】鍼灸師や漢方医は脈診で何がわかる?
脈診に関しては中医学を学ぶ上で欠かすことのできない診断技術です。
しかし、国家資格を所得したほとんどの人が脈診技術を習得できていません。
私自身、国家資格を所得した時点では脈診を重視するようなことはしていませんでした。
普通に鍼灸をやったり整体すればほとんどのケースで改善できるからです。
ところが、臨床年数を重ねれば治療技術だけでは、対応できない患者さんが出てきます。
そんな時に、必死に身に着けたのが脈診でした。中医学マスターたちが難なく脈診を取って診断している。
正しくできているか適当に見ているふりをしているのかはわかりません。
治れば患者さん側からすると何でもいいのです。そこで、私独自の【治すための脈診】を研究してきました。
だからこそ、こういう伝え方をしています。
この動画では、私の脈診技術を習得したい鍼灸師との話をしています。
世の中に出ている正しい脈診と、私の伝えようとしている脈診の違いが理解できるでしょうか?
いくら正しい脈診を身に着けたとしても、治るか治らないかは別の話になってしまいます。
できれば、せっかく脈を診て、体内で何が起こっているのか正しく判断できるようになれば、その状態を正しく改善できるようになった方が良い。
それが、私の脈診です。
五臓六腑は
五臓:肝・心・脾・肺・腎
五腑:胆のう・小腸・胃・大腸・膀胱
これに、心包と三焦を加え六臓六腑と考えているのですが、なぜ日本では五臓六腑という言葉を使っているのかは不明です。
五臓の中でも心臓が止まってしまったら死を表します。なので、他の臓器よりももっと重要視するために心包を言う心臓の膜と教わりましたが加えて六臓になっています。
私は、この部分に対してかなり異論があるので、他の動画でも話していますが、脳腸相関と言われ始めている脳と腸の関係性も理解できるようになると思います。
五臓に直接ダメージがないように五腑で五臓を守っている関係性です。
その五臓五腑をどう診ているのかはこちらの動画で話しています。
五臓六腑は脈で診れたとしても、治療ポイントが診れなかったら治すことはできません。
五臓六腑が診れたら手足の痛みはどうでもいいのかというとそうではありません。
なので、治療を実践していく上で最も重要な脈診方法がここで話している内容になります。
自分自身で体調を整えたいと思った時に重要になるのが【平常時の自分の脈】です。
正しい脈でも教科書通りの脈でもなく、体調が良い時の脈があなた本来の脈と言えるのです。
そして、その脈がわかったら、体調が悪い時の脈を本来の脈に近づければいいのです。
飲食しても運動しても呼吸でも寝ても脈は変わります。脈が変わればいいのではなく本来のあなたの状態に近づけることが重要なポイントと言えます。
正しい食事、正しい運動、健康に特化した寝具、どれであっても、実践した後に脈を診て、本来のあなたでない脈になっているのであればそれでは健康になれないということが証明できます。
どのようなことを行っても、本来のあなたの脈に近づき、実感的にも体調が良くなっている気がすればそれが一番正しい治し方だということになります。
鍼灸の学校でも整体の学校でも、一切教えてもらえなかったことがあります。
【難病】や【癌】に対する処置の仕方であり治し方です。日本はこれらの病気をすべて病院関係者が診る習慣があります。
鍼灸師は病院内の患者さんをほとんど見る機会がありません。中国では病院内に鍼灸師がいます。
なので、オペの最中に鍼灸治療を行うなんて日常なのです。その結果、日本の鍼灸院や治療院に、このような病気を抱えた方たちが来院してもやれることは対症療法。
腰が痛ければ腰の治療、頭が痛ければ頭の治療、しかも主治医の許可を取って来院されている人が多いのです。
なので、病気を抱えていても病気以外の処置をする習慣が治療家にも患者さんにも共通した常識を持っているのです。
けれど、病院や医師を嫌っている患者さんも中にはいます。できる限り手術せずに治していきたい。
入院をせずに薬を飲まずに治していきたい。そういう人たちは他の手段で治すことを考え彷徨います。
そういう時に学校で学んだ技術だけしか持っていない治療家にはどうすることもできません。
脈診ができるようになっていれば正しい治療ができるようになります。
そこには正しい治療法があるわけではありません。脈の状態が正しくいい方向に向かっているかどうかが重要です。
もちろん、患者さんの正常な脈は普段触っていないのでわかりません。
けれど、その場の変化は患者さんに直接聞くことができます。楽になったのか?つらくなったのか?
処置の後に患者さんの表情や呼吸、言葉と脈を合わせていくとどちらに向かうと快方に向かうかがわかります。
ここでは、【脈診】に特化した内容をお話ししてきました。開業後3年間は一切患者さんの脈を触ることのなかった私ですが、今となっては脈を触らない日がなくなっています。
それほど、私にとって重要な診断法と言えます。
患者さんの顔も見ずに数値の羅列を見たり画像をのぞいたりする医師よりかはまともな診断ができていると思っています。