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鍼灸院と鍼灸治療院は何がどう違うのか?

鍼灸院と鍼灸治療院は何がどう違うのか?

鍼灸院と鍼灸治療院の違い。

人それぞれ治療院の名称を付けている意味が違いますし、経験とともに治療内容が変わっていくのが普通です。

けれど、臨床歴30年の私が客観的に感じる鍼灸院と鍼灸治療院の違いを話していこうと思います。

そもそも鍼灸とはツボ治療と思っている人が多いですが、ツボ治療とは何なのか?深く考えていくと教科書通りのツボに鍼やお灸をすることになります。


1.鍼灸の原典に書かれているものとは?

鍼灸の原典である黄帝内経(素問、霊枢、難経)には、ほとんどツボは書かれていません。

なぜならば、この書物ができた時代にツボの名前はなかったからです。

大事なことは中国哲学の陰陽論です。

陰は、足りない、落ち込んでいる、冷えている、固まっているなど。

陽は、充実している、盛り上がっている、温かい、緩んでいるなど。

ここに補瀉法という刺激を入れていくのが、ツボ治療の原点です。


2.ツボはいったいどこにあって何を表しているのか?

鍼灸の心得があったりツボをかじったことがある人には、キュアハウスの鍼灸で、今どこに刺激を入れているのかわからないことが多いのです。

雑誌や書籍にあるツボには刺激を入れていないからです。

私は、国家試験や鍼灸学校の試験で出されているツボは『死んでいるツボ』、体調が悪い人の身体に出ているのが『生きたツボ』と考えています。

その体調の勢いがどんどん進行しているのか?体力が充実しているのか?治りやすいのか?などなど

ツボにすべて現れているものなのです。

なので、治療方法や治療箇所がわからなくても、身体は刺激を入れてほしいところを確実に表現しているのです。


3.日本人には鍼よりも効果を出せる治療方法

累計6万人を超えたころから気づいたことがあります。

それは、今の日本人のほとんどが、鍼向きではなくお灸向きの身体になっているということ。

陽気が充実しすぎているところに鍼を刺す瀉法。

陰気が足りなくなっていて落ち込んでいるところにお灸をして補う補法。

鍼灸の業界には二つの大きな方法があります。

そして、中国古典である黄帝内経の中には、落ち込んでいるところを先に補えと書かれています。

どのような病気に、どのツボを使うかは二の次、三の次なのです。


4.鍼灸と書いているから鍼を打つという間違い

鍼灸院と看板に書かれていても、ほとんどが鍼中心の治療を行っている鍼灸院が多いものです。

キュアハウスに10年以上通われている患者さんからある日こんなことを言われました。

『先生、実は私いつも家を出てくるときに鍼を打ってくるね。と言って出てくるんです。なのに、一度も鍼打ってもらったことがないんです。』

これが、キュアハウス鍼灸治療院の治療方針です。

なぜならば、その患者さんの身体は鍼を求めていないのだから。

お灸を求めている身体だからお灸をしている。

これが鍼灸治療院という名称にしている理由です。

要するに、病気ありきのツボ治療ではなく、患者さんの身体にそって治していくのが鍼灸治療院だと私は思っています。


まとめ

まとめますと、学校で教えてもらえるツボに鍼灸の刺激を入れているのが多くの鍼灸院。

患者さんを治すために何が最適化を考えて、治療行為を行い治していくことを重視しているのが鍼灸治療院。

臨床30年以上続けてきた私の客観的な思いでした。